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入門書「はじめてのスプリンギン」制作秘話シリーズ第二弾〜執筆・制作編〜

こんにちは。書籍「はじめてのスプリンギン〜プログラミングを学んでゲームをつくろう〜(以降「はじめてのスプリンギン」)」の書籍製作プロジェクトのプロデューサー、まっさんです。

「はじめてのスプリンギン」制作秘話の第一弾では、原案・執筆を担当したシュンスケさんから、本書の表紙に書かれている「魔法探偵になって事件解決」という世界観(原案)がどのように生まれたのか語ってもらいました。

さて、今回はもう一人の執筆担当のカズさんと、お手本ワーク制作担当のサコさんから書籍制作の裏話を聞いてみました。

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ー それでは初めにそれぞれ、自己紹介をお願いします。

カズ 今回、ワークをつくる手順部分や物語部分の執筆を担当したカズです。私は小学校の教員なのですが、今回、プログラミング教育についての経験と実績を積むための研修の一環として「はじめてのスプリンギン」執筆に携わりました。

サコ こんにちは、しくみデザインのサコです。スプリンギンの公式webサイトで使ってるイラストとか、紹介用のワークとかつくってます。この本では、お手本ワークの制作と撮影を担当しました。


ー お二人には今回、ワークを実際につくる手順部分のページ作成に主に関わってもらったわけですが、本をつくる上で大変だったことはどんなことでしょう。

カズ はい、今回物語部分やワークをつくる手順部分の執筆をおこなったのですが、大変だったのは子どもから大人まで誰でも読みやすい言葉を使うことですね。しかも、本のデザイン上1つの手順の文字数が限られていて、自分が今まで関わってきた小学生たちの姿を思い描きながら書いていきました。言葉選びには苦労しました。

サコ そうでしたね。初めてスプリンギンに触れる人がちゃんと分かるように、特に前半は細かく手順をわけて丁寧に説明しています。実際に動かしながらだと一言で分かるような内容も、操作単位でわけているので、その説明に一番適した画面は何か、補足を入れるなら何か、を考えながら撮影する必要がありました。動かしながら説明するのと違う難しさがありましたね。

カズ そう、ワークショップで伝えるのと本で伝えるのは全然違いますよね。対面だと伝えやすいことでも、本だとどう伝えようかなと悩んだ場面は多かったんです。例えば「ここをタップしたらアレとソレが線で繋がって」という説明は、画面を指さしながら見せればすぐ伝わるのに、本ではそれができない。しかも先ほど言ったように文字数が限られているため、『アイテム属性メニュー』とか『シーンチェンジ』のように長い言葉の扱いをどうするか悩みました。

サコ そうそう、言葉が限られているために、手順を見直したり、見せ方を変えたりして説明を補わないといけなくて。

カズ だから画面の中に指のイラストを入れてタッチする箇所を表したり、吹き出しを入れて説明を付け加えるようにしました。

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ー スプリンギンは直感的に使えるアプリなだけに、動かない『書籍』に落とし込んでいく苦労がたくさんあったわけですね。ですが今回でき上がった本では、細かい手順ごとにキャプチャ画像が入れてあったり、どこをタッチすれば良いか分かる印もあったりしてとても分かりやすくなっていると思います。お二人の苦労のあとがしっかり現れていますね。この書籍をつくっている中で、それぞれ印象に残っている章はありますか?

サコ どの章も印象に残っているのですが、私が担当したお手本ワーク制作は、本そのものが持つ世界観を崩さないようにする、ということが大事なポイントでした。シュンスケさんの『魔法探偵』という原案をもとに、イラストレーターのがみさんによってつくられた世界観から(お手本のワークで表現されるアイテムたちが)かけ離れないように、でも、だれでもお手本にしやすい、つまり、描きやすいアイテムでないといけません。

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1つだけ、7章(書籍の後半)にでてくるアイテム『コウモリ』は少し複雑です。同じように描くことは重要ではないので、描かなくてもダウンロードして使っていただけるようになっています。でも、もし全部読み終わって時間があったら、このコウモリはどんな風に描いたのかな、という視点で見てもらいたいなと思います。複雑なアイテムのつくりかたのヒントになるかも…?なので、あえて印象に残っている章をあげるとしたら7章ですね。

カズ うん、そうでしたね。本全体のイラストの感じを揃えつつ、でも子どもでも描きやすい絵になるように、とバランスを考えながらお手本ワークの作成をしていましたよね。『コウモリ』については色々悩みましたが、結果的にはワークをダウンロードする方法も載せられたし、これはこれで良かったのかなと思っています。
私が印象に残っているのは5章ですね。ここでは録音機能を使って楽器をつくるのですが、手順を伝えた後、サコさんに何度も質問いただいて「見えない『音』を言葉で伝えるって難しいなぁ」と感じました。

サコ たくさん質問しちゃいましたよね(笑)。この章は、同じ手順を繰り返すところが多くて、限られた手順数と文字数できちんと伝わるようまとめるのが難しかったですよね。さらに、この章では音階を扱うので、スプリンギンにおける音階の表現について、音階について知らなくても伝わるように、読む人の立場を意識するのが特に大事なところでした。

カズ 伝えるのが難しい内容だったからこそ「どうすれば伝わりやすいか」を考えて、5章は矢印を使ってアイテムの動かし方を説明したり、ページの下側に説明の付け加えをしたり、たくさんの工夫をすることができたんです。そんな工夫もぜひ見てもらえたらなと思います。


ー 実際に出来上がった本を見て、どんなことを思っていますか?

サコ 「スプリンギンとは、どんなアプリ?」が楽しく伝わる武器が増えてとても嬉しいです。

カズ 良い本ができたなぁって思います。というのも、この本は「困ったことを解決するためにプログラミングを行う」という構成になっていてただプログラミングを学ぶだけの本ではないんです。つくることを楽しんでプログラミングを学べる、こういう本って他にないんじゃないかなと思います。

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ー 最後に、読者の方に一言ずつお願いします。

サコ つくりかたの部分はもちろんですが、巻末のシュンスケさんの想いの部分は書籍という形でより適した方法で伝えられるなと思いました。つくりかたの部分はもちろん全部見てもらいたいですけど、特に最後の文章は、幅広い年齢の人に読んでもらいたいです。

カズ 入門書としてつくられていますので、誰でも簡単にスプリンギンの魅力を知ってもらうことができます。是非お友達にも紹介してください。

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サコさん、カズさん、ありがとうございました!

さて、これまで二度にわたって「はじめてのスプリンギン」制作秘話をお届けしてきましたが、制作に携わったスタッフたちの想いをご覧いただいて、本を手にする楽しみが増えてくれたでしょうか。

3月24日(水)、いよいよ「はじめてのスプリンギン」が発売されます。

本書を通して、みなさんがクリエイターへ成長してくれるのを楽しみにしています。

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「はじめてのスプリンギン〜プログラミングを学んでゲームをつくろう〜」2021年3月24日(水)全国の書店で発売

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3月17日(水)から先行して、東京の大型書店でテスト販売が始まっています!東京にお住まいの方は、ぜひ書店の「プログラミング」や「ゲームプログラミング」コーナーで手にとってご覧ください!(そして購入いただけると嬉しいです!)
※17日(水)以降、順次店頭に並ぶ予定です。売り切れる可能性もあるので、お買い求めの際は、事前に書店へ在庫の有無を問い合わせいただく事をオススメします。

<テスト販売書店>
・紀伊國屋書店 新宿本店
・ジュンク堂書店 池袋本店
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・書泉ブックタワー
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